last modified: 2005.10.12
経路(標高†) | 鞄 | 靴 | 地形図 |
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須走口五合目(1970m)〜本八合(3360m)〜山頂久須志神社(3720m)〜大日岳【御来光】〜久須志神社〜金明水〜剣ケ峰(3776m)〜銀明水〜須走口下山道〜七合目大陽館(2920m)〜砂払五合(2230m)〜須走口五合目 | Couloir 45l | Tengu II GTX | 富士山 [南東] 須走 [南西] |
†出発/通過/帰着点の標高はおおよそです。
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今年二回目の富士は、前回同様夜間登山。今回は、ずっとずっと前から富士山に登りたいという願望を抱き温め続けたT氏と一緒に行きました。T氏は以前私を菰釣山に連れてってくれた人です。【山歩記 - 菰釣山(2004.06.13)】
T氏はミレーの古いザックにモンベルのストームクルーザー、ホーキンスのトレッキング靴、EPIの風防付きコンロを愛用しているといったタイプなので、登るに当たっての心配事は特にありません。そんな彼でも、「富士山」というのは特別な存在、気軽にほいほい行ける所ではなかったということで、今回は私が僭越ながら名目上は一応仮に「案内役」という立場で行くことになりました。
車でT氏を拾い、当初の予定では大衆的な富士スバルラインから河口湖口を登って山頂を目指すつもりでした。しかしT氏を拾う段階で私が道を間違え、少し遅れてしまって、20時というスバルライン入口ゲートの閉門時刻にぎりぎり間に合うか間に合わないかといった時間帯になってしまいました。
T氏はもともとミーハーなタイプではないし、登頂よりもその過程でいろいろな道を歩き自然を愉しむことに重きを置いていることもあったので、無理して急ぐよりもゆっくりと(料金所など存在しない)須走口から登ることに決めました。須走口と言えば、私が最初に富士山へ登ったところ。いきなり道を間違えて下山道をしばらくずりゅずりゅと登らされた思い出のある登山道です。
途中でコンビニに寄り食料などを調達し、通る度に必ず何か動物を目にするふじあざみラインでは鹿の親子と遭遇しながら、20:50頃須走口五合目の駐車場に着きました。もうシーズン終わってるし連休最終日の夜なので人はあまりいないかと思っていましたが、それでもそこそこの台数が止まっています。地元の若いカップルのデート車だけではないらしい。流石富士山です。
天候は、やや湿度が高く、雲が少し。十六夜の見事な月は朧です。山頂方面は晴れていて、八合目辺りの山小屋の明かりが皓々と照っていました。後で判明したことですが、これは本八合目の胸突江戸屋その他から発せられた光でした。食事や準備体操をし、装備を整え、22時過ぎに駐車場を出発。
もう閉まっている菊屋手前のトイレに寄り、「毒きのこに注意!」の看板に脅されながら神社に着きました。前回や前々回来た時はここで下山道が合流していたのですが、その下山道方面はロープで塞がれて入れないようになっていました。道が付け替えられているようです。登山道は変わっていないようなので、神社に向かって右へ進みます。
樹林帯の緩やかな登り、私は手にミニマグライト、T氏はヘッドランプ。どこぞで誰ぞが書いていたことですが、目の位置に近いところからの光だけだと地面の凹凸の影が見えず、意外と歩きにくい。その点、だらんと下げた手に持つライトからの光で出来た影は視認しやすく、両手を使わなければいけないような急登でない限りはこの方が歩きやすい。今回私は左手に金剛杖、右手にミニマグライトという状態でしばらく登りました。因みに金剛杖は飾りです。記念に焼き印を押す目的を有す場合以外は不要、もしくは登山用の軽いストックの方が実用的でいいでしょう。
途中、下山道らしき道の合流を見つけ、一、二度動物の気配を感じつつ5/4時間程掛けて登った本五合目林館・・・かと思ったら「新六合目長田山荘」だった所・・・までの道では気温が高く風も無く、Tしゃついちまいなのに汗だくになりました。気温は13℃くらい。その小屋はまだ営業しているようでした。時間調整含めて小屋の前でたっぷり休んでいると、後ろから登ってきた男性二人組に追い付かれました。登る人、いるもんですねえ。因みに、天候はだんだん良い方に向かっているようで、この辺りからはほぼ快晴の状態でした。
出発し、次の新七合目大陽館までは一時間程。樹林帯を抜けて標高も上がってきたので、そろそろ暑くなくなってきました。お月様が私達の足元まで照らしてくれるので、ライト要らずでした。大陽館は毎年十月中旬まで営業していることで有名な小屋で、この日も当然の如く営業中でした。でも時刻が半端なので人気(ひとけ)は希薄。先刻の二人組と交差しつつ、また時間調整を含めてたっぷり休憩。
次は本七合目を目指し、5/6時間の行程。何だか分かりませんが、この辺りで私の足が止まりました。息が切れるでもなく、足が怠いでもなく、激しい眠気に襲われているわけでもないのに、足が出なくなりました。謎。後で考えると、多分頭は起きているのに身体だけが眠ってしまったような状態だったのでしょう。或いは、月に意識を吸い取られて放心状態だったのかもしれません。
しかしそんな状態もやがて過ぎ、本七合目から5/12時間程で八合目江戸屋、そこから更に1/3時間程で本八合目胸突江戸屋に到着しました。時刻は午前3:25。前半の時間調整と中盤の私ののろのろ化のお陰で、5:30の日の出に向けていい時間帯です。(ここから山頂までは5/3時間程度を見ています。)胸突江戸屋とその近くの幾つかの山小屋は営業していて、すごい明るい照明が点いていました。これが下から見えたやつか。
時間帯的に丁度「山頂で御来光」目当ての人が動く/通過する頃だったこともあり、河口湖口から登ってきた人やら何やらも合わせてそこいらは妙に活気のある空間でした。この様子だと、前日(連休中)はかなりわらわらと人が溢れていたものと思われます。富士山恐るべし。
奥穂高岳より高い所に行ったことが無かったというT氏は、酸素の薄さに少々影響されているようでした。あと、気温が下がり風も出てきたので、少し寒いとな。いっぱい着込んでしばし休憩します。私もT氏の持ってきた黒砂糖を貰ったりしてまったり休憩。ここから先は何度も歩いた道とは言え、もともと酸素摂取能力が低いのでどうせ楽には登れません。鋭気を養います。そうそう、月が傾いてきているので、ここからはヘッドランプを出しました。ミニマグライトの電池が切れてしまったので。(ミニマグライト用には、低温に弱いニッケル水素電池しか用意してませんでした。)
3:55頃、いよいよ山頂を目指して出発。どうせのろのろしか歩けない私が先に立ち、のろのろと一歩一歩登ります。時折、下からすたすたとしたペースで追い抜いていく人がいる。いいなあ、酸素摂取能力高そうで。私だって、数十歩なら「強い人」の振りをしてすたすた登れますよ。十数kg背負う程度なら、脚力には余裕があるもん。でもすぐ息が切れちゃうから意味なし。やっぱりのろのろ登ります。
4:15頃八合五勺の山小屋を通過。因みにライトはBlackDiamondのGemini(ジェミニ)を使っていましたが、LED二灯で十分ですね、こんな道の場合は。広くまんべんなく照らしてくれて、非常に歩きやすいです。富士山では不要ですが、いざって時にはクセノン球で遠くまで照らせますし。今だと後継機種がHerion(ヘリオン)になるのかな?Petzlの似たような製品より安いし、LED時の電池の持続時間も長いし、オススメ。(あ、好日山荘のWEBショップ見たらまだLED一灯のGeminiがある。これだと電池持続時間は二灯モデルの二倍、但し、歩きで使う際にはLEDだとちと暗いかもしれません。富士山なら平気だろうけど。)
話が逸れましたが、ここいらからいよいよ太陽の昇る方向の空が色づいてきました。すごい綺麗。色んな意味で無理して写真を撮ってみても、やはりナマの光景を目で見るのには敵わない。当然です。美しい。その拡がり、刻々と変化していく色合い、筆舌やしょぼしょぼレンズ、CCDに尽くし難い。反対側を見ると、山の端に沈みかけた狂気の球体(月)もまた見事。立ち止まって眺めたり無駄な写真を撮ったりしながら、だんだん高揚する気持ちを抑えてゆっくり登ります。
4:40頃順調に九合目の鳥居を通過し、徐々に明るくなる空に押されて最後の区間を登ります。やっぱりここはきつい。ペースは落ちます。それでも、九合目から7/12時間、本八合目からだと4/3時間という私にしては速いペースで、5:15頃には山頂の一角へ到達。最後は先頭を初登頂のT氏に譲りました。狛犬と鳥居が迎えてくれます。しかも、天気はまだ快晴のままです。やった。
山小屋銀座の向こうに見える大日岳には、もう「ご来光」を待つ人々の姿がありました。私達も早速そちらへ向かいます。場所取りに苦労する程の人数ではなかったので、落ち着いて待てそうです。しかし風が強い。テンションが上がっているけど、やっぱり止まると寒いので防寒着を着込みました。以前山頂の観測所で発表していた「10分間の平均風速」で言うと、恐らく10m/sちょっとの風でしょうか。富士山頂空間ではまあ普通といったところです。が、立っていると時折よろける位の風です。
くっきりと見えるお鉢(大内院、富士山のメイン噴火口)を覗いたり向こう側に見える剣ケ峰や白山岳の写真を撮ったりして待つこと約10分、いよいよ太陽が昇ります。微妙に雲が掛かっていたものの、きっちりと射し込む光を浴びることが出来ました。私の場合、「山頂で御来光」という希望を抱いて登ったのはこれが三回目。文字通り、三度目の正直ってやつでした。なかなかに感動的な体験です。積年の願望を果たせたT氏の悦びもまたひとしおだったことでしょう。よかったよかった。
蛇足ですが私、御来光を待つ間にあちこち動いてる途中、つまずいて子供みたいにぶっこけました。びたん。あやー。素手だったので手を少し擦り剥きました。あと、帰宅後に気付いたのですが、多分この時にカメラのレンズカバーが壊れました。はしゃぎすぎ。。。
日の出をたっぷり楽しんだ後は、みんなそそくさと下山して行きました。私達は山小屋群の前に陣取って、陽を浴びながら朝ご飯。T氏の持ってきたすぱげちいを御馳走になりました。でも、火を点けるのにちょっと苦労。SnowPeakの新品ガス缶は火が点きにくい。私のプリムスP-153の自動点火装置では点火できず、Zippoオイルを満タンにしてきたZippoライターでも火が点かず。結局、いつだったかスキー場に行った時に入手した使い捨てのライターで火を点けました。Zippoに白ガス(ホワイトガソリン)入れておけば良かった。これまでの経験では富士山頂でもZippoオイルを入れたZippoで難なく火が点いていたんですけどねえ。気温が低かったせいかも。3℃くらいで、風も強かったし。
一旦火が点くとP-153は強力です。ごーごー言って、あっという間にお湯が湧きます。すぱげっちを喰った後は、私の持って行ったこんぶ茶を飲みました。やっぱり寒いとこで温かいものってのはいいですね。ほっとします。ほっとしてから、身体をほぐしてお鉢巡りに出発。今回は反時計回りで行ってみることにしました。時刻は6:50頃。
初めはだらだらと進み、目の前に白山岳。T氏に訊ねると、登らなくていいとのことなのでパス。小内院と雷岩、釈迦の割石を見つつ金明水方面へ下ります。井戸を覗いてみたけど、空っぽでした。そこからちろちろと登り、大沢崩れ源頭方面へ。標高が高いので、ちまちました登りでも案外体力を消耗します。風が強く、鼻水がだらだら出てきます。うはは。
登り切る少し前辺りで、西から雲が押し寄せて来ました。大沢崩れを覗くも、真っ白けっけで何も見えません。残念賞。そこから今度は剣ケ峰方面への、これまたちまちました登り。反対側から登ると急登ですが、こちらは緩い。ちろちろと登ります。測候所下に荷物をデポし、いよいよ剣ケ峰へのアタック。つっても階段をちろっと登るだけです。あっさりと登頂、時刻は7:45。他に誰もいません。
天気が好かったらここで展望台に上がり、南アルプスやら何やらを眺めることが出来るのですが、そっち方面は雲に覆われてしまっていてちっと残念でした。何枚か写真を撮って、日本最高地点を後にします。デポした荷物を拾い、待っているのは無雪期富士下山道中最もキケンな馬の背への下り。急坂で滑りやすい為、滑ってこける人が多発する難路です。気をつけてゆっくり下りました。
水の干上がったこのしろ池跡を過ぎ、富士宮口の山頂へ。下界を見下ろすと、遠くに辛うじて伊豆半島が見えました。やった。ちょっと休み、また進みます。すぐ下には御殿場口の終着点、そして銀明水。そこから少し登り、成就岳、伊豆岳を巻く辺りが一番寒かったです。後で気象庁のデータを見ると、気温は2℃くらい。風びゅうびゅう。やがて最後の大日岳を巻き、無事に下山地点へと戻ってきました。時刻は8:40頃。やっぱり、お鉢巡りには二時間見ておいた方がいいですね。ただすたすたと歩き通すだけじゃなければ。
この時間帯になると、途中の山小屋前でご来光を拝んだと思われる人達がわらわらと登ってきています。九月も下旬に差し掛かった平日なのに、にんきの山はすごいもんだ。因みにこの時の私の服装は、下がユニクロのナイロンカーゴイージーパンツ+スパッツ、上は薄いウールのTしゃつにウールの山シャツ長袖、その上に薄い中綿入り防寒具+70dのゴア雨具。手には革の手袋をしていました。軍手だと多分痺れて固まってます。時折web上で富士登山に軍手を勧めている人がいますが、多分上の方で霧や雨に晒されたことの無い、運のいい人です。夏でも軍手はオススメ出来ません。
なお、お鉢巡りについては以下も参照下さい。
下りは、「須走口下山道」という石標と鳥居のある所から。初めは吉田口・河口湖口と共通の、比較的ふかふかしたブルドーザー道です。霧が出ていなければ、登る時苦労して通過した九合目の鳥居やら八合五勺の小屋、本八合目の小屋群、そしてその下の八合目の小屋までさくさくと見渡せます。よく見ると、八合目の下山道分岐を示す(そして時折見落として悲惨なことになる人がいる)でかい標識まで見えます。
一気に下れば八合目までは1/2時間掛からない程度。でも、数日前の別の山行で膝を傷めてしまったというT氏はちょいときつそうでした。なんか体重の掛かり具合によって痛んだり平気だったりするらしい。酷くならないよう、ゆっくり下りました。途中休んでいると、上から単独行のじいちゃんが来ました。
じいちゃんは七十五歳で、今回四百九十八回目の富士登山だそうです。富士山へがんがん登るようになったのは五十歳頃からだとか。高校の山岳部顧問をやっていて、偉くなって会議やら何やらが増えて山歩きで高校生に負けるようになってからヒミツのトレーニングとして富士登山を始めたそうです。大したもんだ。昨日も登って、高速道路で帰る途中連休終わりの大渋滞に嵌まって引き返してきて車中泊して今日登ったそうです。
じいちゃんを見送り、私達も出発。ちんたら下ります。やがて八合目の分岐へ。河口湖口から登ってきたのにここで間違えて須走口方面へ下ってしまう人が毎年少なからずいます。私も目撃したことあるし。つーか、教えたらすげえスピードで登り返して行ったガイジンとか居たし。下に向かって右が須走口方面、左が河口湖口方面です。
そこを過ぎ、須走口本七合目の小屋を見送り(微妙に登り返せば下山中にも立ち寄れます)、やがて往路でも休んだ大陽館へ。ここへは登り返さずに素直に寄れます。行ってみたら、さっきのじいちゃんがスパッツを着けているところでした。この先はいよいよ本格的な砂走区間。御殿場口程ではないにせよ、足がずっぽり潜る路面となります。じいちゃんを置いて先に行きます。
砂走を上手に下るコツを掴めずに苦労する人がいるそうですが、T氏はさっくりとコツを掴んだようでした。それでも、傷めた膝への負担が徐々に蓄積していくようで、休みながらゆっくりさくさくと下りました。因みに私はこのルートを2003年、2004年にも下っています。大まかな流れは同じですが、細かく見ると毎回ルートが付け替えられてるようです。今回は、途中で一瞬樹林帯の方へ迂回させられました。須走口を初めて下る人は、ちゃんと七月の山開きを待った方がいいかもしれません。道標を含めてルートが整備されるから。その前でも視界が良ければいいんですけど、霧に包まれると「果たしてこっちへ下ってもいいものだろうか」といった状況になります。
下の方へ行くと所々砂が浅くなり、膝の痛いT氏はいよいよ辛そうでしたが、それでも大陽館から3/4時間程で無事砂払い五合へと到着。やれやれ。ここからは最後の樹林帯1/2時間。今のT氏の脚だと2/3時間くらい掛かるかもしれません。とか思っていたら、先刻のじいちゃんがやってきてブル道を下って行きました。私はブル道嫌い。T氏も固いブル道は辛いかもしれないので、お気を付けて、と言って見送りました。
さて出発。「下山道」と書かれた鳥居を潜り、ここからはしめやかな樹林帯を・・・と思っていたら、すぐに目の前の道が塞がれ、樹林帯の外へと迂回させられました。結局あのじいちゃんが下ってったブル道かよ、と思いつつのろのろと下ります。樹林帯歩きたいなあ。それでも、そこいらに咲くフジアザミを見たり写真を撮ったりしながらずんずんと下りました。
しばらく行くとまた樹林帯に戻され、やがて登る時に見つけた登山道と分岐地点で登山道に合流、そこからは昨夜登った道を辿りました。緩やかな歩きやすい道なのですが、膝の痛いT氏が「こんなに急だったっけ」「こんな道よく登ったな」とか嘆いていました。同じ道でも、心身の状態によって随分と異なる印象を与える場合があるのですね。それでも着実に標高を下げ、砂払い五合から5/12時間程で神社に到着。木の洞に置物のたぬきを見つけ、見送り、「毒きのこに注意!」の看板を過ぎて無事砂払い五合から1/2時間、下山開始からおよそ三時間で五合目の菊屋前に帰り着きました。と思った瞬間、雨がぱらぱら。タイミング良かったのかな?
しかし、私にとってはここからが最後の試練。過去二回共、菊屋から駐車場までの僅かな登りで頭痛に襲われるという経験をしています。言わば、須走口の核心部がこの最後の登りなのです。なので、ゆっくり登りました。でも、やっぱり頭痛が起きました。しまった。。。
とは言え、僅かな登りです。多少頭が痛くなっても登り切れる。駐車場へ着くと、観光客のものを含めて沢山の車がびっしりでした。先刻のじいちゃんもいました。大宮ナンバーでした。写真を撮ってあげると言うので、記念にT氏と並んだ写真を撮ってもらいました。ありがとう、じいちゃん。運転、気を付けて帰って下さい。
と、言う訳で、今回も無事に登頂を果たし、ご来光まで拝めて満足な山歩きでした。万歩計は登りが14555、お鉢巡りで4848、下りが10760で合計30163という数値でした。三万行ったのは久し振りかな?何にせよ、同行のT氏ありがとう&お疲れさま。また機会あればどっか他の山にでも行きましょう。
さて、帰りはT氏の提案でオンセンに寄ることに。平野から道志みちへ入ってすぐの左側にある、「石割の湯」というところへ行きました。以前何度か行ったことのある「紅富士の湯」の兄弟みたいなところのようです。パンフレットが共通でした。泉質は単純アルカリ泉、これも「紅富士の湯」と共通です。平日の昼過ぎだというのに、駐車場はほぼ満杯でした。大したもんだ。
砂まみれの身体や髪を洗い、ゆっくりと浸かり、きんにくをほぐしました。やー、山行後のオンセンはいいですね。寛ぎます。私は山歩きできんにくつうとかには殆どならないんですが、それでも強張ったきんにくをほぐして暖まると気持ちいいです。T氏は既に翌日の筋肉痛を予感しているようでした。大腿四頭筋?膝上のもこもこしたところ。
風呂から上がり、大広間で軽く昼ご飯を食べました。眠くなって寝ちゃいたい気分。でも鼻水がでれでれ出て来るので、そのまま帰ることにしました。帰り道の車中では、いろんな話をしました。T氏はいろんなことについてしっかりと考える人なので、面白い話を沢山することが出来ました。話してると眠くならないし。
最後に靴のこと。今回私が履いていったのは、NikeのAll Conditions GearシリーズのTengu II GTXという靴でした。ちょい前に近所のオリンピックで安売りしていた型落ちモデルで、ローカットのトレッキング靴です。以前から「ナイキのACGがどーの」という話を目にしていたので、ちょっと試してみっかという気持ちで衝動買い。中張りにゴアテックス採用だけど、下までゴアなヘリテイジの冬用スパッツはサイズ(厚み)の関係で使えず、その前に使っていた下1/3がゴアじゃなくて蒸れるPAINEの(恐らくアライテント製の)スパッツで覆ってしまって結局中は蒸れてしまう状態でした。
いや、それはまあ仕方無いとして、靴自体の性能。New Balanceのなんちゃってトレイルラニング靴と違い、つま先が硬いゴムで補強されています。踵の左右にも揺れを抑えるような硬い芯が入っています。雪の無い山ならどこでも行けるでしょう。重さは片方426g(27cm相当)でらくちん。安藤の#2500Gの1/3だよもん。過酷な砂走の後も、靴自体は目に見える程のダメージを負いませんでした。上等。靴擦れも無し。
但し、底のグリップ力や安定感ではVibramの山歩き用靴底を着けたものには劣ります。パターンが簡素だということと、ゴム自体が薄いこと、硬いシャンクなど入れていないが故にぶにゃぶにゃしていること等が原因かと思われます。富士山は下がじゅるじゅるしている所が多いので、もう少し底の固い靴の方が楽かもしれません。富士山の前に高尾山で試した印象でも、ゴムの質から来るのかVibram Montania等と較べるとグリップ力の差が感じられました。ま、降雨時や降雨後に高尾山の一部に見られるにゅるにゅる路面は、国内の無雪期一般登山道では屈指の難路面ですけどね。。。