Rjの登高漫歩
たのしい富士登山 - お鉢巡り

last modified: 2007.06.10


富士 - もくじ

  1. はじめに
  2. 登山適期
  3. 各登山道の特徴
  4. 単独?グループ?
  5. 必要な装備(道具)
  6. 歩き方のコツ
  7. お鉢巡り・山麓散策
  8. 富士登山関連リンク

お鉢巡りの写真

浅間大社奥宮(富士宮口山頂)を起点として、「時計回り」に並べています。

2003.10.01 - sengen taisha okunomiya
浅間大社奥宮。

2003.10.01 - mishima-dake
三島岳。踏み跡あり。

2003.10.01 - konoshiro ike
このしろ池跡と剣ケ峰。

2003.10.01 - toraiwa
剣ケ峰から。右に虎岩。

2003.10.01 - nishiyasunokawara
西安河原付近。

2003.10.01 - oosawa gentou
大沢源頭から見下ろす。

2003.10.01 - kamnari-iwa
小内院と雷岩。

2003.10.01 - kinmeisui
金明水と大日〜伊豆岳。

2003.10.01 - shaka no wariishi
釈迦の割石。

2003.10.01 - from hakusandake
白山岳から大日岳方面。

2003.09.03 - kusushi jinja
久須志神社。

2003.10.01 - dainichi-dake
大日岳山頂から剣ケ峰。

2003.10.01 - aramaki
荒巻付近から下界。

2003.10.01 - higashiyasunokawara
東安河原付近。

2003.10.01 - ginmeisui
銀明水と大内院。

2003.10.01 - ginmeisui
銀明水。左は白山岳。

お鉢巡り・山麓散策

  1. お鉢巡り
    • お鉢めぐりとは?
    • 注意点
    • コース
    • 見どころ
  2. 山麓散策

お鉢巡り(おはちめぐり)

富士登山について調べているうちに、遅かれ早かれ目にするであろう「御鉢巡り」という言葉。ここでは、その「お鉢巡り」について簡単に述べてみます。

お鉢巡りとは?

富士山頂には、大きな噴火口があります。その噴火口の縁をぐるっと一周するのが「お鉢巡り」です。名前の由来としては、火口縁にある八つの峰を巡ったことから「お八巡り」と呼ばれ、やがて政治的な理由からその名が捨てられ、火口を「鉢」に見立てて「御鉢巡り」になった等の説があるようですが、詳細は分かりません。

昔はきちんとその八つの峰を巡ったそうです。しかし現在では、ピークを巡る道は危険なので少し内側(部分的には外側)を通るルートが使われています。今のコースは比較的安全で、強風等の悪条件が無ければそれほどの困難を伴わずに歩けるかと思われます。

余談ですが、「八つ」の峰をどう取るかは意見が分かれるようです。剣ケ峰、白山岳(釈迦岳)、久須志岳(薬師岳)、大日岳(朝日岳)、伊豆岳(阿弥陀岳/観音岳)、成就岳(勢至岳/経ヶ岳)、三島岳(文殊岳)の七つはいいとして、最後の一つが問題。駒ヶ岳/浅間岳とする説と、雷岩とする説があるようですが・・・

天気のいい時にお鉢巡りをすると、富士山という活火山そのものを、登って下りるだけの場合とは違った面から実感出来ます。また、ぐるっと一周するので、色々な方向の景色を楽しむことも出来ます。天候が安定していて時間と体力に余裕があれば、是非どうぞ。

注意点

楽しいはずのお鉢巡りも、条件によっては楽しくなくなります。

強風・悪天候時は諦める

風を遮るものの少ない山頂周辺を歩くので、風の強い時には想像以上に危険です。また、山頂が雲の中にある時には景色も見えず、あまり楽しくありません。条件の悪い時に強行すべきではないと思います。

体力的に余裕の無い時は諦める

ずっと標高約3700mの空間なので酸素は薄く、コース途中には多少の登り下りがあります。さほどきついわけではないにせよ、或る程度の体力を消耗することになります。余裕の無い時には見送って下さい。

時間的に余裕の無い時は諦める

一周するのに、ただ歩くだけでも一時間以上掛かります。景色を楽しんだりしながらであれば、二時間くらいは見ておく必要があります。初めての富士登山では下山に掛かる時間を予想しにくいでしょうし、下っている途中に日が暮れてしまうことは避けるのが賢明です。時間を見て、日暮れまでに急がずに下山出来るかどうか考えてから出発しましょう。

以上、要するに「無理をしない」方向で判断して下さい。

コース

コースは、大まかに言って二種類あります。時計回りと反時計回り。細かく言うと、途中で一箇所、道が二手に分かれています。更に言うと、多くの人が歩く道以外にも踏み跡はあります。以下に概略を示します。

概念図

ohachi gainen-zu

地図
時計回り

登山口から山頂に向かって左へ歩き出す方向です。吉田口・河口湖口や須走口登山道から登った場合、山頂の久須志神社から左の山小屋群を抜けて進む方向、富士宮口や御殿場口から登った場合、真っ先に剣ケ峰を目指す方向。

この方向で歩く利点は、富士宮口や御殿場口から登った場合、「日本最高地点」に立つまでの時間が短いという点です。吉田口・河口湖口や須走口登山道から登った場合、特に大きな利点は無いように思われます。

なお、旧来はこちらが正統的な巡り方だったとか。

反時計回り

登山口から山頂に向かって右へ歩き出す方向です。吉田口・河口湖口や須走口登山道から登った場合、山頂の久須志神社から左の山小屋群とは反対側に進む方向、富士宮口や御殿場口から登った場合、剣ケ峰を背にする方向。

この方向で歩く利点は、剣ケ峰への急坂を登らなくて済むという点です。但し、剣ケ峰からの急坂を下らねばならないという欠点もあります。どちらかと言うと、下りの方が怖いです。

付記:ピーク巡りについて

昔の人にならって、稜線を辿り名前の付いたピークを全て踏むコースもあります。しかし、以下の理由からお奨め出来ません。

  • 強風が吹くと非常に危険な箇所がある。
  • 急峻な岩場等、転落のおそれの大きい箇所がある。
  • あまり人が歩かない為、どこを歩くべきか判断の難しい箇所がある。
  • 登降が増え、歩く距離も長くなり、時間や体力を余計に必要とする。

最悪の場合、死亡事故に繋がるような危険がいっぱいあるということです。それなりの経験を積んだ人が「自己責任」という言葉の意味を理解した上で行くならともかく、このサイトで対象としている「初めて富士山に登る」ような方には、「行かないで下さい。」と言っておきます。

行かないで下さい。

いずれを選ぶにしても、出発点まで戻ったらおしまいです。登ってきたのとは違う道から下山する場合を除いて、自分がどこから出発したのか=どこが自分の帰着点なのかをしっかり把握しておいて下さい。行き過ぎても気付いたら戻ればいいだけですが、体力や時間に余裕が無いと焦りを生み、下山時の事故の遠因にもなりかねません。

見どころ

大内院(だいないいん)

富士山の中央にある、大きな火口です。遠くから眺めていれば穏やかな富士の素性をまざまざと見る、といった迫力があります。場所によっては下が崖なので、あまり近寄りすぎないようにして下さい。

虎岩(とらいわ)

火口にうずくまるトラだそうです。「獅子岩」とも呼ばれていたようなので、ライオンなのかもしれません。いずれにせよ、怠け者に見られがちなネコ科の大型動物に見立てられています。

魚祭 シ也(このしろいけ:漢字は疑似倍角・・・)

三島岳の下にやや平らな場所があります。夏の早い時期だと、ここいらに水が溜まっていることがあるそうです。コノシロというのは海にいるニシン科の魚で、美味です。この地(池)名の由来は興味を惹きますが、調べていません。

馬の背(うまのせ)

一般に、馬の背中のようにだらんとした稜線を「馬の背」と呼ぶことがあります。似たものとして、「牛首」なんていうのもあります。「猫背」というのは知りません。

剣ケ峰(けんがみね)

標高3776mの最高峰です。明治時代、ここに野中至という人が小屋を建て、奥さんと共に冬期の気象を観測しました。今では立派な測候所が建っていて、展望台もあります。好天なら眺めは絶好です。

親知らず子知らず(おやしらずこしらず)

剣ケ峰から北へと続く切り立った岩稜です。危険な為、通行止めです。

西賽の河原/西安河原(にしさいのかわら/にしやすのかわら)

剣ケ峰の北側にある、やや平坦な領域です。お役所の休憩所があります。

大沢源頭(おおさわげんとう)

「大沢崩れ」で有名な、大沢という沢(但し、上部には水など無い)の源頭部です。お鉢の縁が細くなっている所を歩きます。風が強いと危険ですが、そうでないなら派手に崩れている様子を覗き込んでみて下さい。なかなか壮絶です。

雷岩(いかずちがいわ)

細くなった稜線を辿った先にある、出張った岩です。昔は律義に稜線を辿ってここを通ったそうですが、今では危険な為、通行止めです。太い踏み跡に従って、お鉢の内側寄りへ進んで下さい。

小内院(しょうないいん)

雷岩の下にある小さな火口です。

阿弥陀窪(あみだがくぼ)

小内院の別名?詳細不明。

釈迦の割石(しゃかのわりいし?読み不詳。)

白山岳の肩にある、割れた溶岩です。白山岳に登ると、間近に見ることが出来ます。

金明水(きんめいすい)

白山岳と久須志岳の間の鞍部から少し大内院方面へ下った所にある湧水だそうですが、水が無いことも多いようです。

白山岳(はくさんだけ)

剣ケ峰に次ぐ高さ(3756m)を誇るピーク。登るには、久須志岳との鞍部から踏み跡を辿ります。山頂には三角点があり、天気が好ければ眺めは素晴らしい。

久須志神社(くすしじんじゃ)

吉田口・河口湖口及び須走口から登ってくると、この神社の前に出ます。お鉢巡りの出発点とする際は、帰着点のよい目印となるでしょう。

荒巻(あらまき)

成就岳と伊豆岳の鞍部付近。昭和前期には高温の蒸気を噴いていたそうですが、今では吹いていません。

東賽の河原/東安河原(ひがしさいのかわら/ひがしやすのかわら)

成就岳の南西側に拡がる、やや平坦な領域。NTTの建物があります。

銀明水(ぎんめいすい)

御殿場口から登ってくると、この泉の前に出ます。水の無い時も多いようです。

浅間大社奥宮(せんげんたいしゃおくみや)

富士宮口から登ってくると、この神社の前に出ます。お鉢巡りの出発点とする際は、帰着点のよい目印となるでしょう。


山麓散策

須山口

精進口

吉田口

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