各登山道の特徴
- 概要
- 吉田口・河口湖口
- 富士宮口
- 須走口
- 御殿場口
- おすすめは?
富士山へ登るには、四つの主要な登山道があります。ここでは、車やバスで行ける終点(「五合目」とか「新五合目」と呼ばれる所)を登山口として話を進めます。(もっと下から登りたいという方は、「お鉢巡り・山麓散策」にて少し触れていますのでご覧下さい。)
ルート名→ |
吉田口
河口湖口 |
富士宮口 |
須走口 |
御殿場口 |
登山口の標高 |
2300m |
2380m |
1970m |
1440m |
山頂までの標高差 |
1500m |
1400m |
1800m |
2300m |
剣ケ峰の近さ |
× |
◎ |
× |
○ |
途中での御来光 |
○ |
△ |
◎ |
○ |
登りの楽ちん度 |
△ |
◎ |
○ |
× |
下りの楽ちん度 |
× |
△(○) |
◎ |
○ |
山小屋の数 |
過多 |
少なめ |
多め |
希薄 |
登山者の数 |
多い(五割) |
多い(三割) |
少なめ |
希薄 |
駐車場の状況 |
混む |
混む |
まあまあ |
空いている |
マイカー規制† |
あり |
あり |
あり |
なし |
ひとこと評 |
大衆的 |
最短最速 |
変化に富む |
これぞ富士? |
- †マイカー規制の実施例
-
- ふじあざみライン(須走口):平成19年8月17日の金曜日から19日の日曜日まで
- 富士スバルライン(河口湖口):平成19年 8月11日(土)0:00から 8月20日(月)24:00まで
- 富士山スカイライン(富士宮口):平成19年7月14日の土曜日から16日の月曜日までと平成19年8月11日の土曜日から20日の月曜日までの計13日間
- 西臼塚駐車場、水ヶ塚駐車場から新五合目までのシャトルバスの運行時間は、登りが6:00から22:00までの間30分間隔、下りが7:00から23:00までの間30分間隔だそうです。
まず全体を把握する為に、Mapionで富士山周辺の地図をご覧下さい。
1/75000の大きな図や1/21000の大きな図等も見られます。【リンクを右クリック(ウインドウズの場合)やcontrol+クリック(マックの場合)すると出現するメニューから、地図を別のウインドウに開いて見ることも出来ます。】
既に昭文社の山と高原地図シリーズ「富士山」等を持っている方は、もちろんそういったガイドマップでも構いません。むしろそちらの方が分かりやすくていいです。
大雑把に言って、
です。各ルートについては別頁で少し詳しく述べてあります。上のリンク先を参照して下さい。
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どのルートが最も「お奨め」かというのは難しい問題です。どういった条件かによって、最適なルートも変わるからです。しかし、色々な状況を想定した上で、総合的にはあまりお奨め出来ないルートが一つあります。概要の表と各ルートの概説をご覧いただいた方には自明かと思われますが、それは吉田口・河口湖口です。理由は、
- 人(特に、大集団)が多く、自分のペースで歩きにくい。
- 途中に山小屋が多すぎ、山頂までの進み具合を把握しにくい。
- それでも登山者数に比して山小屋の収容能力が十分でない。
- 本当の富士山頂(剣ケ峰)が遠い。(これは須走口も同じですが・・・)
- 下山路が固くて単調で長く、心身への負担も大きい。
- 登山口までの道路が有料で、その通行料金が高い。
- にも拘わらず、駐車場の収容能力が十分でない。
富士山に登った後、「疲れたけど、楽しかった。」と感じる人と、「疲れただけで、二度と登りたくない。」と思う人がいます。後者の大半は、盛期に吉田口・河口湖口から登った人です。その割合は、全登山者に占める吉田口・河口湖口からの登山者の割合を恐らく有意に超えています。特に、山頂でご来光を見ようと思った人に多いようです。
ということで、次は適当な条件を付けて私なりのお奨めを示してみます。出発点に戻るルートを想定しています。
スケジュールによって
- 日帰りの場合
-
- 富士宮口
- 須走口
あまり時間が掛かると大変なので、登りが短く剣ケ峰にも近い富士宮口がお奨め。下りは御殿場口〜宝永山を経由するルートなら脚への負担も減ってよいでしょう。須走口は少々登りが長くなり剣ケ峰も遠いのですが、人は少なめだし路も変化に富みつつ全般に歩きやすく、富士宮口が混雑する時期には一番お奨めです。
- 一泊する場合
-
- 須走口
- 御殿場口
私は日帰り以外したことがないので、先達の情報から憶測しています。須走口は本八合目以降吉田口・河口湖口と共通になるので、泊まるならその手前がいいと思われます。御殿場口は出発点の標高が低いので大変ですが、いわゆる「高山病」のリスクは小さくなります。上に着いてから剣ケ峰が近く、下りも一番楽しいのでじっくり堪能したい方にはよいでしょう。但し、山小屋の営業期間には注意。
経験・体力によって
- 富士山以外の山にはたくさん登っている場合
-
- 須走口
- 御殿場口
「どこでも好きなところからどうぞ」と言いたかったのですが、やはり盛期の吉田口・河口湖口はその人の多さゆえお奨めしかねます。富士宮口もそれに準じますが、混雑期(お盆休みや週末)を外せるのであればその限りではありません。
- 山登りなんてあまり縁がない場合
-
- 富士宮口
- 須走口
下りも含めて歩きの負担が小さい順です。但し、富士宮口をそのまま下ると順位は逆転。富士宮口の下山はかなりの脚力を要求します。宝永火口経由で下ればらくちん。
番外編:九月は?
- 吉田口・河口湖口
- 須走口
山登り経験者同行の上で、という条件付きでの吟味。九月は盛期と較べて人が少なく、営業している山小屋も極端に減っているので、中旬まで営業している山小屋のある吉田口・河口湖口が浮上します。が、下りの辛さが減るわけではないのでご注意を。あまり山小屋に頼る必要が無いのなら、もっと楽な須走口がよいでしょう。(大陽館のみ例年十月中旬まで営業しています。)
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